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行こか戻ろかイギリス生活

行こか戻ろかイギリス生活

Rafaela Carrasco

(2007年3月4日)

Teatro Villa Marta

Jerez Flamenco Festival、2週目初日。私にとっては初日。
本日のVillamarta劇場での公演はRafaela Carrasco。
タイトルはDel amor y otras cosas.。カップルの愛の物語である模様。よって、Rafaela Carrasco一人が踊るのはなく、Daniel Donaという男性ダンサーとの共演である。

最初に点滅するスポットライトの中に登場してきたRafaela。音楽もなく、例によって一人で黙々と華麗なテクニックを見せてくれるが、個人的には前よりも迫力が加わったような気がした。もう彼女も中堅どころなんだなあと思った。

最初に一人で踊っているRafaelaの前に一人の男性が現れる。(Daniel)。
で、二人は恋に落ち情熱的に愛をかわしたりするのだが、そのうち、案の定諍いが起こる。怒り散らしている女性をRafaelaが激しいステップで表現、かたや男性の方は沈黙を守って泰然と立っているのみである。こいつ(この男)判ってんだか判ってないんだかって、こういう場面は日常でもよくある感じで、これは結構面白かった。

そのうち、男性が女性を支配しようとしている感じを表現しているのか、男性のカスタネットに合わせてRafaelaが踊る場面があったり、男性が女性の元を去ったかと思うと、またよりを戻して、前よりもっと傷つけあったり。(という風に見えた)。

しかしね、男性の方はちょっとだけタカタカとフラメンコの足を見せてくれたが、それ以外は完全なコンテンポラリー・ダンス。ブロードウエイもどきのターンがあったり、とにかく動きは上体が中心。
最近は男性がパタデコーラやマントン、カスタネットを使うパターンもよく見るが、この舞台もその流行を追っている形。
Rafaelaも軽い布でできたパタデコーラをつけて優美な足捌きを見せてくれたけど、これも、何もわざわざシーツのようにたたんだパタを舞台の中央に運んで広げるところから見せなくてもいいんじゃないって感じ。
つい数日前にロンドンで見たIsabel Bayonもそうだけど、今時はお客さんの前で着替えたりするのが流行りみたいだが、個人的にはそんなのは舞台裏でやってもらって結構。ダンサーが紐を結んだりスカートを上げているところなんて全く興味なしである。

小道具としての紐も最近はよく見る。今回もRafaelaとDanielが赤い紐で結ばれて、片方がターンをして紐をクルクル足に巻きつけたり、反対周りして戻したり、腕に巻きつけたり、体に巻いてお互いに近付いたり。ちょっともういいって感じがした。

フラメンコなんて曲の種類も限られているし、こういう舞台に出てくるダンサーのテクニックのレベルも高くて当然だし、後はどういう見せ方をするか位しか勝負するところがないのだろうが、こういうフラメンコからかけ離れたステージにはちょっと食傷気味である。
凄いダンサーだからこそ、タブラオではお目にかかれないようなレべルのフラメンコを見せてくれるアーチストっていないものでしょうかねえなーんて考えた、消化不良の公演だった。


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